判定の話①総合判定
大学ランキング表の使い方を説明するには,「総合判定」について,触れておく必要があります。
1・2年次から入試科目に絞って受験勉強をする ということをウリにしている塾や通信教育を見かけますが,その多くは全国区の予備校・塾・通信教育ではなく,また,そういうことをいう方は,全国的な成績データや入試結果(合否)データに触れたことがないのではないかと思います。
入試問題を解くには基礎力・基礎知識が必要なのはいうまでもないと思いますが,この基礎力・基礎知識の中には,「素養」とか「教養」とか呼ぶべきものも含まれます。
環境保護を扱った英文を読むのに,「英語」の教科力だけで挑むのはちょっと考えても無謀ですし,高校1・2年の理科・地歴が読解に役立たないはずがありません。
指導要領に沿った多くの高校では,1・2年次には国語,数学,英語を中心として,幅広い学習をしています。
この基礎力から,狙える大学を知るために,低学年時の学力と合否データの相関を取った,1年生向け(2年生向け)のランキング表があります。また,この時期の模試は,入試科目ではなく,その模試の受験科目と配点に沿った志望大合格判定があります。
この判定を「総合判定」といいます。
今,学校で学んでいる総合力から出す判定なので,基礎的な教科(国語,数学,英語だけであることも多い)から判定を出しています。ランキング表も基礎的な教科のみの偏差値から出しているので,「今の学習を続けてるとどの程度の大学を狙えるか」が分かる仕組みになっています。
このやり方は現役合格のための仕組みともいえます。高2生秋の科目選択までに,自分の可能性と希望を見定め,志望大を選択するために,ランキングが存在します。偏差値は模試ごとに決まるものなので,模試にあった1年生向け(2年生向け)のランキングで探すようにしましょう。
この辺のシステム化は国内ではかなり以前から完成しているもので,目の前の目標に都度,がむしゃらに勉強していくことで,必ずその時点でもっとも有利な進学先を選べるという,現役生のための体制となっています。
低学年時から入試科目に絞って勉強している方,そういう教え方をしている先生に1つだけ忠告なのですが,生徒を集団としてみた時,低学年時の理科・地歴の得点は,生徒の実力を現しているのではなく,単に履修進度を表していると思って大きな間違いはないようです。1年次中盤の英語・数学も似た傾向があります。
その時点での得点の大半は,人よりも先にスタートしたことによるリードと割り切り,基礎力がしっかりした現役生たちが3年次後半から追い上げてくることを想定した上で,高2秋までにいかにセーフティリードを確保か頑張るよう教える必要があるかと思われます。
よく,「現役生は2次試験当日まで伸びる」といいますが,低学年次から入試科目に絞って勉強をしている生徒は,高3生の時点で演習も十分にこなした「浪人生」の域に達している状態になります。この辺を加味した長期レンジでの計画が必要になるかと思いますので,しっかりとしたコーチングが必要となります。
言い換えると,そういうことを考える人を持たない早い時期からの受験勉強主体の自主学習はかなりのリスクを背負うことになるので、気をつけてください。
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